• 松下公治

急性虫垂炎(盲腸)の治療:手術?それとも薬で散らす?

最終更新: 8月2日

 「急性虫垂炎(盲腸)」は頻度の高いお腹の救急疾患の一つで、一生涯に6-8%の人が発症します。治療は迅速に手術し、虫垂を切除することですが、突然発症して手術することになるので、戸惑うことも多いです。「手術はしなければいけませんか?」とか、「薬で散らすことはできますか?」という質問はよくあります。


 急性虫垂炎の病状や基礎疾患などによっても、個別の治療方針は違いますので、主治医とよく相談する必要があります。ここでは治療の概略をお話しします。



◎急性虫垂炎の分類と治療方法


 まず重要なことは、診断が急性虫垂炎かどうかということです。CT検査などで精査しても、はっきりしないことや、他の疾患が疑わしいことも多く、典型的でない場合は注意が必要です。急性虫垂炎が確定すれば、大まかですが以下の3つに分類できます。


非穿孔性虫垂炎:緊急手術、ただし抗生剤で治療できることもある

穿孔性虫垂炎による汎発性腹膜炎:緊急手術

穿孔性虫垂炎による限局性膿瘍:針を刺して排膿して抗生剤で治療、後日手術を検討


 「非穿孔性虫垂炎」は通常の虫垂炎で、基本的には緊急手術です。ただし、炎症が軽い場合は抗生剤で治療できることもあります。「穿孔性虫垂炎による汎発性腹膜炎」は虫垂に穴が開いてしまった状態で、お腹全体に炎症が広がっており、緊急手術になります。「穿孔性虫垂炎による限局性膿瘍」は発症から診断までに2日以上経過していることが多く、虫垂に穴が開いたものの、お腹全体に炎症が広がらずに、膿状に一塊になり限局している状態です。体外から針を刺して膿を排出したり、抗生剤で治療します。


◎手術するか?それとも薬(抗生剤)で散らすか?


 このように、急性虫垂炎に最も推奨されている治療は緊急手術です。しかし、成人の非穿孔性虫垂炎は、入院して抗生剤のみで治療しても、90%は治すことができるので、薬(抗生剤)で散らす(治す)ことは大抵可能です。ただし、手術をしない場合は、悪化するリスク(入院中に悪化し手術となるのは約10%)、再発のリスク(治療後1年以内に約30%)、腫瘍のリスク(約1%)があるので注意が必要です。


 特に再発のリスクは結構高く、いつ発症するかもしれないことは大きな問題です。初回の発症から平均すると4-7ヶ月で再発し手術になったという報告もあります。若い人に多い病気でもあることから、試験などの大切なイベント、大切な仕事、海外渡航中などのタイミングで発症するリスクもあります。原則としては、初回発症時に手術することが推奨されます。やむを得ず薬で散らした場合は、次回再発時に手術するか、後日予定手術として日帰り手術を行うことで、再発と腫瘍のリスクを回避ことも可能です。


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