• 松下公治

なぜ虫垂炎(盲腸)の日帰り手術が可能か?

最終更新: 3日前

 腹痛で病院に受診し、「急性虫垂炎(盲腸)」と診断されると、通常は入院してすぐに手術となります。日本にはガイドラインがありませんが、国際的なガイドラインである「WSES Jerusalem guidelines for diagnosis and treatment of acute appendicitis 2016」でも、迅速な手術が推奨されています。欧米では、急性虫垂炎に対して日帰り手術も行われており、報告が多数あります。



◎腹腔鏡下手術による虫垂炎(盲腸)の日帰り手術とは?


 日本ではまだ虫垂炎に対する日帰り手術はほとんど行われておらず、論文による報告もありません。虫垂を切除する場合は3-7日入院するが一般的です。しかし、日帰り手術に特化した東京外科クリニックでは、待機的手術に限定して日帰り手術を行っています。「待機的手術」とは、急性虫垂炎を抗生剤で散らし(治し)、後日予定手術として虫垂を切除することです。一旦治ったとしても、再発のリスクと腫瘍のリスクが残りますので、手術することでそのリスクを回避することができます。一旦炎症が治まってしまうと、虫垂の腫れは軽度で、手術は短時間で終わり、体の負担も少なく、入院の必要性がほとんどないので、腹腔鏡下手術による日帰り手術が可能で、術後60分程度で帰宅できます。


◎なぜ虫垂炎(盲腸)の日帰り手術ができるのでしょうか?


 鼠径ヘルニアの腹腔鏡下手術の経験から、腹腔鏡下手術の日帰り手術の仕組みが既に確立しています。術前、術後のフォローの仕組みや麻酔方法が定型化されており、安全に腹腔鏡下手術をできることが一番の要因です。

 鼠径ヘルニアと同様に、腹腔鏡下手術は痛みが少なく、社会復帰が早いため、日帰り手術の組み合わせは理想的です。痛みの強さは傷の数はあまり関係なく、傷の大きさが大きく関係してきます。そのため、傷は5mmの穴が3ヶ所と小さくすることで(通常臍の傷は12mmです)、痛みを少しでも減らし、体の負担が最小限なるように工夫しています。


◎急性虫垂炎(盲腸)で痛みがある時に日帰り手術はできないのでしょうか?


 欧米では日帰り手術が安全に行われており、日本でも同様に可能と思われます。しかし、虫垂炎の日帰り手術を唯一行っている東京外科クリニックは緊急手術を行っていないため、残念ですが難しいのが現状です。

 急性虫垂炎は術前検査である程度、病状を把握することができるものの、術中所見で虫垂穿孔(穴が開いている)が判明することもあります。穿孔していると術後に腸が麻痺してしまい、食事がなかなか摂れず、点滴治療が必要になることがあります。術前に日帰り手術が可能と判断することが難しいため、もし日帰り手術をする場合でも、入院設備のある病院で行うことが望ましいと考えます。


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