消化器外科

◎消化器とは?

 「消化器」とは食物を体内に摂取し,消化,吸収,運搬,貯蔵,排泄を行う器官で,下記のようなものがあります.

<食道>長さは約25cmで,胃まで食物を送ります.

<胃>食物を貯めて,胃液で消化します.

<小腸>長さは約6mあり,栄養の吸収を行います.十二指腸,空腸,回腸に分けられます.

<大腸・直腸>約1.5mあり,主に水分の吸収を行います.

<肛門>肛門括約筋で制御しながら,便を排出します.

<肝臓>約1〜1.5kgあり体内最大の臓器です.糖・アミノ酸・脂質などの様々な代謝や解毒を担っています.消化酵素の胆汁を作ります.

<膵臓>消化酵素やインスリン(血糖を調節するホルモン)を作ります.

<胆嚢>胆汁を貯めておき,食物の刺激で収縮して胆汁を分泌します.

<胆管>胆汁を肝臓から十二指腸まで運ぶ管です.

<脾臓>リンパ球を成熟させて免疫機能を担います.

◎消化器外科とは?

 「消化器外科」とは消化器疾患の外科手術(開腹手術,腹腔鏡下手術)を専門とする診療科のことです.一言で言えば,お腹の手術を専門とする科です.その中でも腹腔鏡下手術といって,お腹を切るのではなく,小さな穴を開けて行う「低侵襲手術」を主に行っています.腹腔鏡下手術は痛みが軽く,体の負担が少ないため,社会復帰が早いのが特徴で,日帰り手術との組み合わせは理想的です.

 一方,消化器疾患を扱う内科の専門科として,「消化器内科」があります.消化器内科は薬や消化器内視鏡(胃内視鏡や大腸内視鏡など)を用いて治療を行う専門科です.ただし,完全に役割が分かれているわけではなく,消化器外科も薬や消化器内視鏡治療,抗がん剤治療や緩和ケアなどを行います.「消化器病センター」を設置している病院も多く,お互いに協力して診療を行っています.

◎医師になるには?そして,消化器外科医になるには?

 まずは高校を卒業し,大学医学部に入学し,6年間通い卒業すると,医師国家試験の受験資格を取得できます.6年生の冬に医師国家試験を受験し,合格すると「医師免許証」を取得し,医師となります.そして,医師として2年間の初期臨床研修を受けます(研修医,初期研修医と呼ばれます).その後更に約3年間の後期研修を受けます(後期研修医,専修医と呼ばれます).研修が終わると,外科系の医師はまず「外科専門医」の取得を目指します.その後,消化器外科,心臓血管外科,呼吸器外科,小児外科などのサブスペシャルティに分かれ,「消化器外科専門医」の取得を目指します.日本には「医師」が327,210名(2019年12月現在),「外科専門医」が23,723名(2020年1月現在),「消化器外科専門医」が7,417名(2020年5月現在)います.

・高校卒業

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・大学医学部 6年間(一般教養・基礎医学・臨床医学などを学び,臨床実習を行います)

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・医師国家試験を受験し合格(医師免許証を取得)

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・初期臨床研修 2年間(全ての医師が内科や外科,救急など様々な診療科で研修します)

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・後期臨床研修 約3年間(各診療科で専門医になるための研修をします)

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・その後,外科専門医,消化器外科専門医,そして内視鏡外科技術認定医の取得を目指します

◎日本内視鏡外科学会 技術認定制度とは?

 「日本内視鏡外科学会 技術認定制度」とは,内視鏡下手術を安全かつ適切に施行する技術があり,かつ指導する技量があることを認定する日本独自の制度です.外科専門医,消化器外科専門医となった後に,内視鏡外科(腹腔鏡下手術)を指導する技量を身につけ,その認定を目指して挑む資格です.それまでの手術実績,業績に加え,3本の手術動画を提出して審査を受けます.それだけに最難関の資格で,経験豊富な医師らが挑んでいるにも関わらず,2018年度の審査では合格率が25%でした.消化器外科領域では2,149名,ヘルニア領域では79名(2020年4月現在)が認定されています.

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