日帰り手術

◎「日帰り手術」とは?

 「日帰り手術(Day Surgery)」などと呼ばれています.定義は様々ですが,国際日帰り手術学会によると「患者が手術治療した同日中に帰宅する手術(診察室等での小手術を除く)」と定義されています.日帰り手術を受けるにあたっては,安全に日帰り麻酔を行えることが絶対条件ですので,持病や病状によっては希望にそえず,局所麻酔下の手術や入院を勧めさせていただくこともあります.

◎「日帰り手術」の利点,欠点は?

 一番のメリットは費用対効果に優れていることです.医療の効率が最適化され,コストを減らし,患者さんの多様なニーズに応えることができます.一般的な入院で手術する場合,たとえ1泊や2泊でも多くのスタッフが関わり,たくさんの書類や記録を作成し,手続きも煩雑です.入院しないことで,多くの手間を省くことができ,効率的に医療を提供することができます.また,住み慣れた家でご飯を食べて,寝れるといった,日常生活を続けたまま手術ができるので,それも大きなメリットになります.

 デメリットは手術が可能となる疾患や施設が限られていることです.手術で最も大切なことは,安全性ですので,適応となる疾患であっても,持病や病状によっては入院が必要になることがあります.また術後の病状によっては,入院が必要となることもあります.

◎「日帰り手術」の対象となる疾患は?

 消化器外科の分野では,一般的に鼠径ヘルニア肛門手術で日帰り手術が行われています.

 東京外科クリニックでは,以下の腹腔鏡下手術を日帰り手術で行っています.鼠径ヘルニア対するTAPP法や,薬で治った後の虫垂炎に対する待機的手術を主に行っています.さらに,胆石症や胆嚢ポリープなどに対する胆嚢摘出術,また,小さなヘルニアであれば腹壁瘢痕ヘルニア修復術や臍ヘルニア修復術も可能です.

 ・鼠径ヘルニア,大腿ヘルニア,ヌック管水腫:鼠径ヘルニア修復術(TAPP法),大腿ヘルニア修復術(TAPP法)

 ・虫垂炎:虫垂切除術

 ・胆嚢結石症,胆嚢腺筋症,胆嚢ポリープ:胆嚢摘出術

 ・腹壁瘢痕ヘルニア:腹壁瘢痕ヘルニア修復術

 ・臍ヘルニア:臍ヘルニア修復術

◎「腹腔鏡下手術」による「日帰り手術」とは?

 日本ではまだ数少ない,腹腔鏡下手術による日帰り手術を東京外科クリニックで行っています.腹腔鏡下手術は痛みが少なく,社会復帰が早いため,日帰り手術の組み合わせは理想的ですが,日本ではなかなか実現されませんでした.医師や看護師のエキスパートが集まることにより,安全で質の高い日帰り手術を提供しています.痛みの強さは傷の数はあまり関係なく,傷の大きさが大きく関係してきます.そのため,傷は約5mmの穴にして非常に小さくすることで,体の負担が最小限なるように工夫しています.個人差がありますが,術後60分程度で帰宅できます.

◎日本における日帰り腹腔鏡下手術の現状

 日本では「日帰り手術」はまだまだ一般的ではなく,専門病院も少ないのが現状です.更に腹腔鏡下手術を日帰り手術で行っている施設はほとんどありません.欧米と比較すると大きく出遅れている現状ですが,日帰り手術を安全に実施し,多くの人に満足して頂けるように,これからも力を注いでいきたいと考えています.

◎なぜ日本では日帰り手術を行う施設が少ないのでしょうか?

 欧米とは保険制度が違うことや,入院費用が欧米と比べると格段に安く入院しても金銭的な負担が少ないこと,病院にとって収益上のメリットがないこと,日帰り手術に興味を持つ外科医が少ないことなどが推測されます.しかし,患者さんからのニーズが高いことは日々実感しており,満足度も高いため,日本においても日帰り手術を多くの方に提供していきたいと思っています.

「鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術」,​「虫垂炎(盲腸)の日帰り手術」はこちら

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