日帰り腹腔鏡鼠径ヘルニア手術 //

◎「日帰り手術」とは?

 「日帰り手術(Day Surgery)」又は「外来手術(Ambulatory Surgery)」などと呼ばれています.定義は様々ですが,国際日帰り手術学会によると「患者が手術治療した同日中に帰宅する手術(診察室等での小手術を除く)」と定義されています.日帰り手術を受けるにあたっては,安全に日帰り麻酔を行えることが絶対条件ですので,持病や病状によっては希望にそえず,局所麻酔下の手術や入院を勧めさせていただくこともあります.

◎私の日帰り腹腔鏡手術の特徴

​ そけいヘルニア(脱腸)については「腹腔鏡(TAPP法)」による日帰り手術を東京外科クリニックで行っています.痛みが少なく,回復の早い腹腔鏡下手術と日帰り手術の組み合わせは理想的ですが,日本ではなかなか実現されませんでした.医師や看護師のエキスパートが集まることにより,安心して日帰り手術が受けられるようになりました.痛みの強さは傷の数はあまり関係なく,傷の大きさが大きく関係してきます.そのため,傷は基本的に5mmの穴が3ヶ所と非常に小さくすることで,体の負担が最小限なるように工夫しています.さらにタッカーというメッシュの固定具を使わないことで,術後の痛みが軽くなります.個人差がありますが,術後60-90分程度で帰宅が可能です.

 実際の受診から手術までの流れがマンガになりましたので,参考にご覧ください.

◎日本における日帰り腹腔鏡手術の現状

 日本では「日帰り手術」はまだまだ一般的ではなく,専門病院も少ないのが現状です.「鼠径部切開法」によるそけいヘルニアの日帰り手術は少しずつ広まってきました.しかし,「腹腔鏡」によるそけいヘルニアの日帰り手術は,2018年現在,把握しているだけで日本では6クリニックと2病院でしか行われていません.更に東京外科クリニックで行っているTAPP法は,東京外科クリニックともう1病院のみです.欧米と比較すると大きく出遅れている現状ですが,日帰り手術を安全に実施し,多くの人に満足して頂けるように,これからも力を注いでいきたいと考えています.

◎なぜ日本では日帰り腹腔鏡鼠径ヘルニア手術を行う病院が少ないのでしょうか?

 日本では「日帰り手術」自体,まだまだ普及していないのが原因と思われます.その理由は,欧米とは保険制度が違うことや,入院費用が欧米と比べると格段に安く入院しても金銭的な負担が少ないこと,病院にとって収益上のメリットがないこと,日帰り手術に興味を持つ外科医が少ないことなどが推測されます.しかし,実際にやる中で患者さんからのニーズは高いことを実感しており,日本においても日帰り手術を多くの方に提供していきたいと思っています.

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