虫垂炎(盲腸)

◎急性虫垂炎(盲腸)とは?

 「急性虫垂炎」とは,虫垂の内腔が閉塞することで,血流やリンパ流が障害され,細菌が増殖し虫垂が腫れる病気で,俗に「盲腸」と言います.生涯発生率は6-8%で,10-30歳に多く,頻度の高い腹部救急疾患です.虫垂は大腸の一部で,右下腹部にある約5cmの腸管です.放置すると虫垂が腐って(壊疽),穴があき(穿孔),便がお腹の中(腹腔内)に漏れたり,膿瘍を形成したりします.お腹全体に炎症が広がれば急性汎発性腹膜炎となり,敗血症性ショック,多臓器不全となり,命に関わります.死亡率は約0.2%です.

◎急性虫垂炎(盲腸)の症状は?

 急性虫垂炎の典型的な症状は,食欲低下→心窩部(みぞおち)から臍(へそ)周囲の痛み→悪心・嘔吐→右下腹部に痛みが移動→37度の微熱の順に出現します.腹膜炎を起こすと,歩いた時にお腹に痛みが響くことがあります.

◎急性虫垂炎(盲腸)の診断・検査は?

 急性虫垂炎を診断するためには,腹部の触診を行い,圧痛の部位や程度,腹膜刺激症状の有無などを診ます.血液検白血球数,CRPを測定し,炎症の程度を確認します.造影CT検査(感度95%,特異度96%)で,腫大した虫垂を確認することで,虫垂炎と診断します.糞石(便の固まり)による閉塞が原因の時は,糞石がCT検査で確認できることもあります.腹部超音波検査MRI検査を行うこともあります.

◎急性虫垂炎以外の病気の可能性は?

 急性虫垂炎と鑑別が必要な病気としては,約1%ですが虫垂腫瘍(癌,カルチノイド,粘液性腫瘍など)の可能性があります.また,急性腸炎,大腸憩室炎,メッケル憩室炎,炎症性腸疾患,腸管穿孔,大腸がん,尿管結石,産婦人科疾患など様々な病気の可能性があります.

◎急性虫垂炎(盲腸)のガイドライン

 現時点では日本のガイドラインはありません.国際的なガイドラインは「WSES Jerusalem guidelines for diagnosis and treatment of acute appendicitis 2016」があります.虫垂炎と診断されたら,早期に手術することをお勧めします.

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