急性腹症 //

◎急性腹症とは?

 急性に発症した腹痛の中で,緊急手術などの迅速な対応が必要な腹部疾患の総称です.腹膜炎にまで進行すると痛みに波がなく持続痛のことが多く,歩くとお腹に響く痛みが特徴的です.頻度が高い疾患は,虫垂炎,胆石胆嚢炎,胆管炎,腸閉塞,消化性潰瘍,消化管穿孔,ヘルニア嵌頓,憩室炎,胃腸炎,尿管結石,膵炎,婦人科疾患などがあります.心筋梗塞や精索捻転など腹部以外の疾患,腹部大動脈瘤破裂や腹部血管の閉塞が原因のこともあります.特に消化管穿孔(腸に孔が開く)や絞扼性腸閉塞(腸が締めつけられて閉塞する)は腹膜炎から,敗血症,播種性血管内凝固症候群(DIC)や多臓器不全(MOF)を発症し,生命の危機を伴うので,早急に緊急手術が必要です.敗血症性ショック(細菌感染よって血圧が低下し瀕死の状態)となることが多く,集中治療室(ICU: Intensive Care Unit)で呼吸や循環などの全身管理を行いながら原疾患の治療をします.人工呼吸器管理,緊急透析,エンドトキシン吸着療法など集学的治療を行うことで救命できるように全力を尽くします.

◎私の手術の特徴

 急性腹症で最も大切なことは,早期診断による早期治療です.腹痛を起こす疾患は多種多様であり,診断に苦慮することも多いのが実情です.これまでの経験を活かして,早期に的確な診断をし,適切な治療を行っていきます.腹腔鏡下手術が可能な病状であれば,腹腔鏡下手術も積極的に行っています.ただし,開腹すべき病態も多いため,その場合は速やかに開腹手術を行います.

◎ガイドライン

 「急性腹症診療ガイドライン2015 医学書院」が日本腹部救急医学会等から出版されています.個々の治療方法は病状によって異なることもありますが,基本的にはガイドラインに沿って治療を行っています.

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